BMWR1100R フロント・ブレーキ点検

店で、バイクを出し入れしている時、どうもF:ブレーキレバーの握り具合いがピンとこなかったので、点検することにした。

F:ブレーキ・リザーバータンクの蓋を外しフルードを見たら新品同様で奇麗であった。エアーが噛んでいると思い、左右のキャリパーからエアー抜きのに準備にかかり、フールドがこぼれた場合を想定して養生して作業にかかった。

まず、始めに左側から行ったが、レバーの握り代は変化が無かったので、右側も行った。レバーを数回握ると噴水のようにフールドが上に飛び出るので、作ってあるアルミの板で飛び出ないようにしてある。

ホンダ車などは、標準でリザーバー・タンク内に飛散防止が付いている親切設計であるが、残念ながらこのBMWは付いていない。
フールドが塗装箇所などに飛散すると塗装がはげてしまうので、要注意である。

左右エアー抜きをしても、レバーの握り代に変化がないので今度はマスター・ポンプにエアーが噛んでいるかも知れないと思い、マスター・ポンプから出ているホースの取り付けボルト14mmを緩めながら、エアー抜きをしたが、エアーが残っている様子はなかった。

それではと思い、ブレーキレバーを握りながら左右のブレーキパッドを目視点検したら、右奥側のパッドが0.1〜0.2mmぐらい出が悪いので、キャリパーを外してパッドを点検したら、左右とも変摩耗していなく同じように摩耗していた。

どうもピストンで出が4個均一に出ないので、そのせいで、パッドの出方が均一ならず1〜2回レバーを握らないと握り代が出なったらしい。

ピストンの周りを清掃して、キャリパーの取り付けボルトに、ネジロックを塗布してトルクレンチにて規定トルクで締めた。再度組み付けた。多分、これは少し実走行すれば治ったかもしれない。

トルク法締め付けは、作業性に優れた簡便な方法であるが、締めつけトルクの90%ぐらいは、ネジ面と座面の摩擦を計っている様なものなので、締め付け作業時の摩擦特製の管理に左右されるので大きく変化するものである。

例えば、塩水にボルト&ナットを漬けておいてザビさせて、トルクレンチで締めつければトルクは大きくなる。
この辺の理論は、弾性域締め付けと塑性域締め付けとも大変なのでまたの機会にする。